2016年08月04日
インターナショナルスクールは、「英語」を学ぶところと考えていませんか? 実は、英語で「学ぶ」ところです。英語は、教授言語です。インターナショナルスクールの教育は、その先、「どのように学ぶか」とつながっています。その代表が探究的な学びです。
多くのインターナショナルスクールは、英語を学びます。
しかし、英語を身につけることが目的ではありません。
英語で学ぶために英語を身につけるのです。
すなわち、英語を身につけるのは、英語で学ぶための手段にすぎません。
英語は、「学ぶ」ため。
ここが英語塾や英会話スクールと大きく違います。
国際バカロレアのディプロマ(高校相当)に注目が集まっています。
国際バカロレアの初等教育(小学校相当)から中等教育(中学校相当)やディプロマ課程やディプロマ資格試験も実は複数の言語で実施されています。
具体的には、英語・フランス語・スペイン語などが認められています。
日本語やドイツ語でも近年、開始されました。
世界のインターナショナルスクールでは、フランス語・スペイン語で教えている学校も数多くあります。
ヨーロッパは、多言語が進んでいる地域です。
そこで参考にイタリアのインターナショナルスクールを取り上げてみます。
今回、ご紹介するのがイタリアにあるインターナショナルスクール・オブ・ボローニャ(International School of Bologna)。
国際バカロレアの一貫校です。
URL:http://www.isbologna.com
初等教育プログラム(PYP)は、英語とイタリア語。
中等教育プログラム(MYP)は、英語とフランス語。
ディプロマ・プログラム(DP)は、英語で教えています。
3ヶ国語で各教育課程で違う言語で指導する。
日本人からすると「イタリア語とフランス語も入っていて、だいじょうぶかしら」と思っていましますが、これがインターナショナルスクール。
すなわち、海外転勤族のお子さんは、それほど多様な文化背景を持っています。
多様性のある生徒へのニーズを満たすため、学校側がフランス語と英語に対応しています。
東京国際フランス学園
http://www.lfitokyo.org/index.php/ja/
1975年(昭和50年)に学校法人日仏学園によって開校された東京国際フランス学園。
2012年に北区滝野川に移転したのと同じく校名を『東京国際フランス学園』と学校名を変更。
日本語・フランス語を含めたバイリンガルクラスも開校しています。
50カ国から約1000人の生徒が学ぶ。幼児教育3年、初等教育5年、中等教育4年、高等教育3年の5-4-3制
コース 保・幼・小・中・高
各認定 aefe
東京都北区滝野川5-57-37
TEL: 03-6823-6580
東京国際フランス学園は、フランス語で学びます。
また、東京横浜独逸学園のようにドイツ語の学校もあります。
英語は世界で通用する言語ですが、中南米やアフリカなどスペイン語・フランス語が母語となっている国々が数多くあります。
ただグローバル化によって、国際バカロレアを含め国際教育の教育言語の業界標準が「英語化」がさらに進んでいるようです。
下の写真は、東京国際フランス学園よりリンク。
東京横浜独逸学園
https://www.dsty.ac.jp/ja/schule
1904年創立の東京横浜独逸学園。当初、ドイツ人学校としてスタートしましたが、オーストリアやスイスなどドイツ語圏のお子さんが学んでいます。
日本人もドイツ語圏から帰国したお子さんが学んでいます。
コース 幼・小・中・高
各認定 在外ドイツ学校
〒602-8144 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南2丁目4−1
電話: 045-941-4841
リセ・フランセ・ド・京都
http://lfkyoto.org/
京都の中心部、二条城の近くに位置するリセ・フランセ・ド・京都 は、フランス人家庭、日仏家庭、フランス語圏の家庭のための学校です。フランス政府公認の指導要綱、履修過程、時間割に即した学校です。
コース 幼・小・中・高
各認定 AEFE(フランス海外教育庁)
〒602-8144京都府京都市上京区丸太町通黒門東入藁屋町536-1
電話:075-812-7015
FAX:075-812-70 14
日本人にとって、英語を学ぶならば、日本人が英語を習得しやすいように専門的に開発してきた「英語塾」の方が、費用面や学習効率で高い場合があります。
インターナショナルスクールは、世界中を転勤する家庭の子どもために作られた学校です。
そのため、子どもたちが海外に転勤になっても継続的に学べるように言語を選ぶ必要があるのです。
インターナショナルスクールで学ぶこと(英語で学ぶスクールを前提とした場合)。
それは、①英語で②探究的な学びをすること。
さらに、③様々な文化を持った教職員・生徒が集まっていること。
この3つが合わさって「インターナショナルスクール」で学ぶ意味があります。
インターナショナルスクールで学ぶことを単純な数式にしてみます。
1、学び方の数式
「英語」×「探究的な学び」=インターナショナルスクールの学び方
2、多文化の数式
「多文化な背景を持った教職員」×「多文化な背景を持った生徒」=インターナショナルスクールの多文化
すなわち、インターナショナルスクールの数式から考えると、英語は4つの要素のうちのひとつといえます。
1、インターナショナルスクールは、英語を教授言語としているスクールだけだけではない。
2、フランス語・ドイツ語・スペイン語などを教授言語としているスクールもある。
3、インターナショナルスクールは、探究的に学ぶ。
4、インターナショナルスクールには、多文化を背景として持った生徒や教職員がいる。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
インターナショナルスクール・オブ・ボローニャのホームページのスクリーンショット